ムンク展〜国立西洋美術館 2007年10月

国立西洋美術館でやっているムンク展に行ってきました。オープン二日目で連休のためもあるのか、中はかなり混雑していました。とはいうものののんびり見れば絵の前に立ってじっくり鑑賞出来る程度でしたのでよかったと思います。ムンクの絵はその画面に不安、恐れ、嫉妬、苦しみ、といったあらゆる負の感情が詰まっていて、画家の見る世界観がそのような部分に大きく向けられていたことを物語っています。私たち外側の人間は、画面で展開されるそのような人間模様を客観的にとらえ、それを実際の人間模様に重ね合わせて自由に解釈するわけです。ムンクの絵は強烈でどれをみても一目でムンクとわかる絵ばかりでしたが、それらの絵からは画家ムンクの魂の叫びが聞こえてくるようでした。同じ主題を何度も色彩と構図を変えて描いているムンクは、終生世界観を変えはしませんでしたが、そのかわり、描き方や色彩は年を追うごとに変化していった画家でもあります。今回の絵画展でもその画家としての変遷を絵を通して見ることができます。いずれにせよ、強烈な魂の叫びを楽しめるムンクの絵画は一見の価値が十分にあると思います。