アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

上記の展覧会に行ってきました。9月26日に始まったばかりということもあり、朝11時にしては結構混んでいましたが、絵の目の前にたってどれも楽しむことができました。フェルメールの絵はさすがに人だかりができていて最前に出るまで少し時間がかかりましたがそれでも一番前に立ってじっくりと鑑賞しました。今回もオーディオガイドを借りて説明を聞きました。風俗画ということで、17世紀から19世紀のオランダの風俗がよくわかる絵画が油絵、水彩、版画とそれぞれにありました。版画などは、とくに寓意的色彩が強く、誰が見ても俗世間的なにおいのする顔立ちをした人間が多数描かれていました。面白かったのは油彩の絵でぱっと見は日常の風景を切り取った絵も、画家にはどうやら世俗的な日常に対する批判的な目を持って描かれているということでした。例えば、使用人の怠惰さを現す表現だとか、おろかさを表す表現だとかといった方法です。美術として絵画を見る場合には、絵の美的な要素だけではなく、そのような何を目的に描かれているのかも考えながら見るということを今回の展覧会で学びました。フェルメールの牛乳を注ぐ女は一般の傑作という評価に違わず私も素晴らしい絵だと思いました。ガラス越しではなく生でこういう絵がじっくり見られたことに感謝したいと思います。